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2006年 12月 03日
東京タワーと内藤多仲
東京タワーと内藤多仲_c0087349_16594464.jpg12月1日(金)TV映画劇場で「ALWAYS 三丁目の夕陽」が放送されました。
昨年、映画館で見ることが出来なかったので、DVDレンタルしようかと思っていました。
物語は、私の大好きな昭和30年代の話、確か昭和33年かと・・・・・?
とても人情味あふれた良い話でしたが、その中で二つの名脇役の存在がありました。
一つはダイハツのミゼット、そしてもう一つは町角から見える工事中の東京タワーです。
物語の進行と供に工事が進み最後は夕陽をバックに完成した東京タワーです。

事務所の本棚「三丁目の夕陽」コーナーより(鈴木オートの三輪車ミゼットミニュチュア(映画は屋根が黄色))

東京タワーと言うと設計者である内藤多仲を思い出します。
内藤多仲は、明治19年(1886年)山梨県に生まれ、明治43年(1910年)東大建築科を卒業後、
長年、早稲田大学教授をされ、日本の耐震構造理論の基礎を築いた人物です。
また、数多くの塔を手がけ、代表作に東京タワー、名古屋テレビ塔、二代目通天閣
それぞれ東京、名古屋、大阪の三都市を象徴する塔を設計しました。
折しも12月1日よりINAXギャラリー大阪で「タワー -内藤多仲と三都物語-展
が開催されています。(2007年2月16日(金)まで、その後名古屋にて6月から)

東京タワーと内藤多仲_c0087349_1752925.jpg半年ぐらい前に、インターネットの古本のHPで内藤多仲著「日本の耐震建築とともに」
昭和40年(1965年)発行の本人のサイン本を手に入れました。
生誕80年と金婚式のお祝いに出された本です。
東京タワーについて、1889年パリに建てられたエッフェル塔と比較しています。
東京タワーは、エッフェル塔の69年後の1958年エッフェル塔より12m高く、
また使用した鋼材はエッフェル塔の7,300トンに対して3,600トンと半分以下です。
内藤多仲は飛躍的な技術の進歩と鋼材の質の向上によるものと言っています。


本の中から(たぶん有名な話だと思いますが?)「壊れたトランクから耐震壁を発見
の一部分を紹介したいと思います。
私の携帯したトランクは芝浦製作所の先輩斎藤氏から借用の大きな頑丈なトランクであるが、
サンフランシスコからワシントンに行くとき、身辺の持物をできるだけ多く詰め込むように、
内側の間仕切りをはずしてしまったのだ。ところが、ワシントンに着いたとき、トランクは
バラバラにこわれてしまった。代りのトランクに持物を入れかえるとき、間仕切りをはずさず、
外側は縄で締めくくった。こんどは、どんなに重い荷物を入れてころがしてもビクともしなかつた。
これは一体、どういうわけであろうか・・・・と考えてみた。トランクに間仕切りを入れて縄で締める
ことは、ふだん運送屋でやっている何の変哲もない荷造りの方法である。
次にアリューシャン沖で荒波にもまれた船はどうであったか?船体は水平にデッキ、垂直に隔壁で
仕切られてあるが、全体の変形を少なぐ強度を増していることがわかつた。つまり、物が
こわれるのは「変形]が原因であることがわかった。建築にすれば形が崩れない設計をすることで、
これこそ耐震構造の要点ではなかろうか、という考えである。
-以上本より引用-

東京タワーと内藤多仲_c0087349_170591.jpg先日の新聞に墨田区にできる「新東京タワー」のデザインが発表されました。
デザインは、建築家の安藤忠雄と彫刻家の澄川喜一の両氏です。
そういえば、リリー・フランキー著の「東京タワー」も映画化され、2007年4月GWに
全国公開されます・・・・・・楽しみです。
時が経ち、そのうち新東京タワーが出てくる映画が出来ますね・・・・・。(笑)


毎日新聞より

by core1808 | 2006-12-03 17:16 | 雑談


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