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2006年 10月 04日
土壁
土壁は、断熱性・防火性・調湿性にすぐれた工法です。
古くは奈良時代の寺院建築等に見られ、江戸時代には左官技術による壁仕上げとして
もちいられ、昭和30年代までは身近に行なわれてきました。
下地は、その地域で産する天然の割竹(真竹を四~八つ割り)や小枝をワラ縄で格子状に編み、骨組みにするのが一般的で、小舞下地と言います。(施工方法も各地方により異なる。)

土壁は簡単に言うと、下地から荒壁(あらかべ)、中塗り、上塗りの工事工程になります。
(実際はもっと細かい工程がいろいろあります。)
荒壁は下塗りなので粘り強さが求められ粘土質が用いられます。
(例えば関東では荒木田:田んぼの底土)
塗り始める数ヶ月前に、粘土にワラ(初めは長いもの、終わりに近づくほど短いもの)と
水を混ぜて足で踏みながら練っていきます。
しばらくするとワラが醗酵し繊維が残り、これを2・3度繰り返し、土を作ります。
(ワラは裁断された古畳を用いる場合もあり、土も古い土壁・土塀を再利用しました。)

先日、古い木造の解体現場で土壁を見かけました。
荒壁をサンプルとして採取しました。
土壁は自然の材料を用いた、再利用可能な環境にすぐれた工法で、
最近見直されてきました。
土壁_c0087349_815661.jpg
竹で組んであるのが小舞下地、竹の間の土が荒壁
土壁_c0087349_821064.jpg
荒壁を採取、ワラが入っている。土壁は再利用できます。


by core1808 | 2006-10-04 08:13 | 建築材料探し


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